遺伝子組み換え作物の三大論点
こんにちは、ママ美です。
第1回の記事は、「遺伝子組み換え作物が、地球温暖化を食い止める!」という話でした。でも、そもそも遺伝子組み換え作物って何なのでしょうか。
別の生物の遺伝子を組み込む「遺伝子組み換え作物」
「遺伝子組み換え」とは、生物の細胞から役に立つ性質のある遺伝子を取り出し、別の生物の細胞の遺伝子に組み込み、新しい性質をもたせることです。
(厚生労働省HP https://www.mhlw.go.jp/topics/idenshi/dl/h22-00.pdf)
たとえば、除草剤の作用を受けない性質を持つバクテリアから、その部分のDNAを取り出して大豆のDNAに入れ込みます。
すると、その大豆は、バクテリアの持っていた除草剤の作用を受けない性質を持つようになり、除草剤に強い大豆になります。つまり、除草剤をまいても、雑草だけが枯れて、大豆のような作物は枯れにくくなるんですね。
第1回の記事では、そうした「除草剤に強い作物」の効用の一つが、地球温暖化の防止であることを説明されていました。
組み換え技術は、品種改良と似た仕組み
遺伝子組み換え技術が登場する前も、類似のことが行われていました。それは、交配による品種改良です。
たとえば「コシヒカリ」は、味に優れた品種と、病気に強い品種を交配して、おいしく、病気にも強い品種として誕生しました。
(農水省 https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1111/spe1_01.html )
遺伝子組換え技術は、これら従来の品種改良と仕組みは似ています。しかし、異なるのは外部から遺伝子を組み入れるため、同種間だけでなく、種の壁を越えて他の生物に遺伝子を導入することができる点です。
(厚労省HP https://www.mhlw.go.jp/topics/idenshi/qa/qa.html
遺伝子組み換えの食品は8種類だけ
遺伝子組み換え作物の商業栽培は1996年に米国で始まりましたが、現在も、あらゆる作物に行われているわけではなく、むしろごく限られた作物にのみ、おこなわれています。
日本で栽培や輸入が承認されているのは、じゃがいも、トウモロコシ、ナタネ、大豆、てんさい、綿実(綿の種子)、アルファルファ、パパイヤの8種類の食品や作物です。
国内での栽培はなく、現在はすべて輸入品です。日本で栽培されている遺伝子組み換え植物は、食品ではない「青いバラ」だけです。(厚労省HP https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000616569.pdf )
3つの大きな論点
遺伝子組換え作物をめぐっては、主に次の3つが大きな論争となっています。
- 安全かどうか
- 自然の生態系に悪影響がないか
- 巨大企業が組み換え種子を支配するのでは、という政治倫理的な問題
今も論争は続いていますが、すでに20年以上の食経験があり、日本国内では科学的な観点から「食べて危ない」と主張する科学者はほとんどいません。
生態系への悪影響も現状ではほとんど報告されていません。
巨大企業の支配を問題視する声は社会科学者や市民団体の間で強くあるようです。
このブログでは、この論争についてもいろんな角度から取り上げていきます。
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